生贄投票
「ご、ごめん」


環奈が泣き出したから、怜は驚いたのだろう。優しく背中に手を回して、引き寄せた。


「昨日の進捗状況っていうの、みんなあんまりやってなかったけど、やってくれるように、一緒にお願いしよう」


「ぅ、ぅ、ごめんなさい」


「え? 何で環奈が謝るの?」


「だってアタシ、レイちゃんに投票したのに」


環奈は生贄に選ばれた怒りよりも、今は怜に投票してしまった申し訳なさで、一杯だった。


「何だ。そんなの気にしてないよ」


そんな環奈に向かい、怜は優しく微笑んだ。
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