生贄投票
教室に入ると、まだタップのノルマをクリアしていないはずなのに、今日もみんな登校してきている。


相変わらずアタシの顔を見て、驚いた顔をするのにも腹が立つけど、当然文句は言えないから、愛想笑いをするしかない。


環奈は真っ先に、エルゴンの席に目をやる。


――いた!

ふてぶてしい態度でこっちを見ている。


環奈はそのままエルゴンの席に向かった。


「何か用か?」


「お願いします。アタシを助けてください」


環奈は殴ってやりたいと思う感情を抑えて、深く頭を下げた。
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