生贄投票
「おい何をやってる。席につきなさい」


促がされて、みんな席に着く。


でも、環奈だけは座らなかった。

もともと今日は授業を受けるつもりはなかったので、手ぶらで登校していたのだ。


「オイ。座らないか」


「すみません。体調がすぐれないので早退します」


「何? 帰らなくても、保健室で休んでればいいじゃないか」


「ちょっと待ってよ環奈」


怜が立ち上がって呼び止める。


「レイちゃん有り難う。でも、自分のことだから自分でやらないと。本当に有り難う」


環奈はそう言うと、そのまま教室を飛び出していった。
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