生贄投票
授業が始まっても、美奈都はスマートホンをいじっていた。


環奈を助けられる方法はただ一つ。タマ子のボットだけなのだ。


ところがさっきからずっとメールを送っているのに、全く返信が来ない。


電話をかけたいところだけど、授業が始まってしまったから、それも出来なかった。


自分が投票してしまったせいで、環奈がエルゴンと……。

美奈都だってまだ経験がないから、やっぱり初めての相手は、好きな人じゃないとイヤだと思っている。


だからこそ、何とかして環奈を助けてやりたいのだ。


タマ子何やってるんだよ……?

美奈都はまったく返信の来ないスマートホンを、じっと見続けていた。
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