生贄投票
『で、どうした?』


「うん。あの後学校で色々あってさぁ」


『えっ、色々って何?』


「うん。あの……えっと、電話じゃなんだから、会って話せないかな?」


『えっ? そ、それは良いけど』


「柴田くんちって、今家に誰かいるの?」


『いや、両親は共働きだし、妹は学校に行ってるから、誰もいないけど』


「じゃあ、お邪魔してもいい?」


『あ、ああ、うん。いいけど……』


「じゃあ場所を教えてよ」


『うん。学校から駅に向かう途中で、ブックスエルって本屋があるの分かる?』


「うん」


『じゃあ、そこまで戻るから、そこで待ち合わせよう』


環奈は康介からの説明を受けながら、康介の自宅を目指した。
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