生贄投票
康介の自宅は決して大きくはないけれど、まだ新築の二階建ての戸建て住宅である。


「どうぞ」


「お邪魔します」


環奈は玄関の中に入るなり、すぐに中を見回した。


玄関の下駄箱の上のスペースに、桜が丘中学校全国大会準優勝とかかれた写真パネルがある。


「これって……?」


「ああ、中三のときにさぁ、サッカーの全国大会で準優勝したんだ」


「えっ、嘘! スゴいじゃん!」


そういえば康介は確かサッカー部だった。


「まぁな。過去の栄光ってやつだよ」


「過去のって……でも、うちの高校って、そんなにサッカー強くないよね?」


「うん。まぁ都大会ベスト16止まりってとこかな」


康介は爽やかに微笑んだ。
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