生贄投票
シャワーを浴びてリビングに戻る。


環奈はエルゴンのスマートホンをタップすることもなく、ソファーの上に座っていた。


「ねぇ、何でシャワーなんか……」


質問をしようとした途端、環奈が立ち上がった。


「柴田くんの部屋に行こう」


「え?」


「お願い」


「いや、そりゃあいいけど……なぁ、いったい何があったんだよ?」


「それも柴田くんの部屋で話すよ」


そう言われると、これ以上は何も言えない。康介は先に立って二階にある自分の部屋に向かう。


突然のことだから部屋を片付けていない。

環奈は散らかった部屋を見て、引いたりしないだろうか?

失敗した。さっき環奈が風呂に入っている間に、部屋の片づけをしておけばよかったのだ。


康介は今更ながら反省した。
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