生贄投票
「散らかってて悪いな」


康介は部屋に入って一番にそれを気にした。


「ううん。うちの弟の部屋と比べたら、大したことないよ」


「ああ、入山って弟がいるの?」


「うん。今もアタシのスマホをタップしてくれてる」


「ああそっか、いい弟さんだね」


「うん」


「でさぁ、学校で何があったの?」


「うん……」


環奈は頷いたものの、しばらく口を開かない。


いったい何があったのか?


康介はベッドの上に腰を下ろし、環奈が口を開くのを待った。
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