生贄投票
スマートホンの着信メロディが聞こえる。


そういえば康介のスマートホンは、エルゴンの物と一緒に、一階に置いてきているのだ。


康介は環奈を起こさないように気を使いながら、そっとベッドを抜け出す。


大急ぎで下着だけを履き、脱ぎ散らかしている服の中から、とりあえずシャツを拾い上げると、それを着ながら階下に向かった。


リビングに入り、結構長い間鳴っているスマートホンを手にすると、今治美奈都からの着信。


「もしもし」


『あっ、柴田くん?』


「うん」


『カンナ近くにいる?』


「えっ、ああ、うん。でも、今は眠ってる」


『え?』


「いや、あの……。ずっと寝ずにタップしてて、睡眠不足みたいだったから、今はうちで眠ってるんだ」


さすがにエッチしてとは、言いづらいので、当然そこはボカした。
< 269 / 827 >

この作品をシェア

pagetop