生贄投票
「何だこれ! すげぇ」


『じゃあちゃんとボットが働いてるのね?』


「ああ、もう2万回行ってる」


『やった。これで環奈はエルゴンのところに行かなくてもいいね。あっ』


「あって何だよ?」


『返しにはいかないと』


「え?」


『だからお昼までにエルゴンにスマホを返しに行かないと、柴田くんが警察に捕まっちゃうでしょ』


「あ、そうだな……。じゃあアイツにこのスマホを叩き返してやるよ」


『うん。そうだね。じゃあ私二時間目が始まるから』


「ああ、サンキューな」


『お礼ならタマ子に言ってやって。じゃあね』


「ああ」


電話を切った康介の胸は、歓びに溢れていた。
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