生贄投票
康介はリダイアルをしかけて、手を止めた。

今治美奈都は今授業中である。


「あっ、そうか」


何も美奈都に聞く必要はない。当事者のタマに電話すればいいのだ。

タマは今日学校をサボっているのだから……。


番号を呼び出して、電話をかけるとすぐに出てくれた。


『もしもしオマエさぁ、エルゴンのスマホを奪って逃走したらしいな』


「いや、まぁ」


早速伝わっているようだ。


『で、どうだ? エルゴンのにボットを設置してみたんだけど、機能してるだろ?』


「ああ、うん。どんどんカウントが進んでる」


『そっか、これで入山はエルゴンのところに行かなくてよくなったな』


「ああ、サンキュー」


康介は嬉しくて素直にお礼を言った。
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