生贄投票
「どうだって?」


いつの間にか環奈がいた。残念ながら服を着ている。

もう一回くらいエッチしたかったんだけど……。こんな状況だから、今日はもうやめておこう。


「いや、残念だけど入山のには、難しいらしくて……」


「そっか」


環奈があからさまにガッカリした。


「でも、他のヤツらのに関しては、心配はなくなったんだから、後は自分のことだけに集中できるじゃないか」


「うん。そうだね」


そこは切り替えていくしかないのは、環奈にだって分かっている。


「じゃあ俺、エルゴンのうちに行ってくるから」


「じゃあアタシも行く。本当は早く帰って弟と代わらなきゃならないんだけど、柴田くんにだけ任せるのも悪いし、もう少し一緒にいたいし……」


「そっか、じゃあ一緒に行こう」


「うん」


微笑んだ環奈の顔に、ドキッとする。

絶対にこの笑顔を守ってやりたい。康介は本気でそう思った。
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