生贄投票
エルゴンの自宅に到着した。

かなり古びた平屋の戸建て住宅である。


呼び鈴を押すと、中からエルゴンが出て来た。


「おっ、結局来たのは入山か」


エルゴンはニヤリと笑う。


「へぇ~オマエも来たのかよ」


康介のほうをチラっと見て、またニヤリと笑った。


「ああ」


「目の前で惚れた女が他の男とヤってるのを見るなんて、いい趣味だな」


「はぁ? 何言ってんのオマエ?」


「何だ?」


「カンナは俺の女だぞ。オマエなんかとヤるわけねぇだろ。バ~カ」


康介はポケットから取り出したエルゴンのスマートホンを、そのままポンと投げる。


エルゴンは咄嗟にそれをキャッチした。
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