生贄投票
「痛っ」


涼花は咄嗟に手を当てて、明里を睨む。


「アンタが悪いんだからね」


明里は頭に血が上っていて、訳が分からなくなっていた。


「何すんのよ!」


涼花はすぐに立ち上がると、そのまま明里に掴みかかる。


「キャアー!」


突然取っ組み合いの喧嘩が始まったから、周囲の女子が悲鳴をあげた。


「止めて! 止めなさい!」


クラス委員の岡田奈美が慌てて叫ぶ。


「ちょっと二人を止めてよ」


奈美は唖然として見ている男子生徒に向かって、二人の喧嘩を止めるように頼んだ。
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