生贄投票
学校に登校すると、やっぱり話の中心は、来なかった投票画面のことだった。


これでこのまま永遠に、投票画面が来なければいいのに。


みんなそう願っていた。


「そういえばさぁ、カノンと連絡が取れないんだけど、誰か知らない?」


北澤早苗がみんなに聞こえるように、少し大きな声で聞く。


「カノン? そういえば昨日から学校休んでるよね」


茂木栞が明里に向かってそう言った。


明里は正直、自分のことに精一杯で人のことまで気が回らなかったから、岩田華音が昨日学校を休んでいたことすら気が付かなかった。


「風邪とかかなぁ?」


「ううん。そういうことじゃなくって」


答えた福岡聖佳に向かって、早苗はすぐに首を振った。
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