生贄投票
栞が藤本の後を追って教室を出て行った後、美奈都はすぐに席を立つと教壇に立った。


「みんな聞いて。さっきの続き」



「何だよ今治」


一番前の席の岡本雄介が口を開く。


「このまま行ったら、結局みんなが死ぬまで投票は終わらないと思わない?

最後の一人になるまで投票を続けさせられて、仲間同士で陥れたり裏切ったりで、誰も信じられなくなるなんて、私はイヤだよ」



「それは俺だって……」


雄介だけでなく、全員が暗い顔になる。


「みんな今夜の生贄投票で、涼花に入れるつもりだったでしょ?」


美奈都はみんなの顔を見回した。
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