生贄投票
みんな無言のまま、しばらく重い空気が流れる。


「じゃあ俺は今夜の投票で、出席番号が俺の次のクドちゃんに投票するわ」


菊川晃司が口を開いた。


「えっ」


全員が晃司を見る。


「俺もこれ以上みんながバラバラになるのは我慢出来ねぇ。どうせ順番に殺されるくらいなら、みんなと一緒に死んだほうがマシだ」


「じゃあ俺は、俺の次の柴田に……って、柴田死んでるじゃん」


佐伯雅治がお笑い芸人のように言ったおかげで、場の空気が少し和んだ。
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