生贄投票
「みんなそうなの? みんな美奈都の意見に賛成なの?」


彩奈は立ち上がって周りを見る。


それに対して、ハッキリ反対と言う者はいなかった。


こうなると一人だけの反対は、意味をなさない。


「分かったよ。私も美奈都の案に従うよ」


彩奈は渋々そう言うと、そのまま席に腰を下ろした。


「で、オマエの好きなヤツって誰?」


諦めたのに、晃司が追い討ちをかけてくる。


こういうデリカシーがない男が、どうして女の子にモテるのか不思議だと思った。
< 395 / 827 >

この作品をシェア

pagetop