生贄投票
どうやらこの最低男は、私が喋るまで諦めてくれそうにない。


まったく何でこんな男が、女子の一番人気なんだろう。


男は絶対に顔じゃない。彩奈はそう思うと同時に、何だかどうでもよくなってきた。


どうせもうすぐ死ぬんだから、恥をかいたって別にいいや。


そんな風に思えてきたのだ。


「服部くんだよ」


「服部って、将也か?」


「うん」


「ショーヤ。オマエ今フリーだよな?」


突然晃司は、名前の出た服部将也に向かって声をかけた。
< 397 / 827 >

この作品をシェア

pagetop