生贄投票
「良かったな森川」


晃司に微笑まれて、さっきまで腹が立っていたのに、彩奈は晃司に感謝した。


「ってことで、今夜の投票は全員自分の次の出席番号のヤツに投票するようにな」



「ちょっと待って」


真面目な岡田奈菜が手をあげる。


「何だ?」


「しおりんには後で言っておくけど、カノンとアカリはどうするの?」


「それは……」


すでに晃司の頭の中には、二人は存在していなかった。


「どうすればいいと思う?」


晃司がみんなを見回したとき、二時間目の授業の教師が教室に入って来た。
< 399 / 827 >

この作品をシェア

pagetop