生贄投票
思い切ってインターホンを押すと、少し経って女性の声がした。


「あの、私アカリさんと同じクラスの茂木栞と言います」


『ああ、ちょっと待って』


すぐに玄関から品の良い女性が現れる。


出て来た中年の女性は、これまた明里とは違うタイプの美人で、栞はまた驚かされた。


「あの、アカリは?」


栞はすぐに質問する。


「まだ……」


明里の母親は、泣きそうな顔で首を左右に振った。
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