生贄投票
「ちゃんと話を聞いてやらなかったから、それで家出をしちゃったのかなとか……

それともあの子の言う通り、本当に生贄がどうのっていうので、いなくなっちゃったのかと思ったり……」


ついに明里の母は、口を手で押さえて泣き出してしまった。


「そうなんです。突然生贄を選ばされるようになっちゃって、もう三人死んでるし、

今週はアカリとカノンが生贄に選ばれて、二人とも連絡が取れなくなってるし……

なのに先生や両親や、誰に言っても、誰かの悪戯なんじゃないかって言われて信じてもらえないし……」


「栞ちゃん」


「私たち……このままいったら、全員殺されるかもしれません」


栞は苦しくて言葉に詰まった。
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