生贄投票
「生贄に選ばれると殺されちゃうの?」


「ええ……」


「何で明里は選ばれたのかしら?」


「それは……」


「それは?」


「スマートホンを解約したからです」


「解約って……あっ」


明里に泣きつかれて、娘に甘い夫が先週の日曜日に携帯電話のショップに、連れて行ってやったのだ。


「それじゃあ明里はもしかして……」


「昨日の今週の生贄を選ぶ投票画面には、アカリもカノンも名前がありませんでした……」


栞は胸が苦しくて辛かった。
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