生贄投票
「いよいよ今日だね」


環奈が前を見たまま、小声で呟く。


それに対して、美奈都はあえて聞かなかったふりをした。

環奈に投票してしまった手前、やはり環奈とはこの話題をしたくないのだ。


どうしてあの時、環奈に投票してしまったのだろう。悔やんでも悔やみきれない。


クラス全員仲は良いけど、それでもあまり絡まない者も結構いるのに……。


環奈はいつも通りなのに、美奈都はどうしても普通に接することが出来なくて辛かった。
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