生贄投票

校門を過ぎたところで、クラスメイトの小嶋真紀と、福岡聖佳が歩いているのが目に入った。


「コジマキ！　セイカ！」


特別仲が良いわけではない二人に向かって、美奈都は大声で呼びかける。


普段なら絶対にしないことだけど、今は環奈と二人だけの空気に押し潰されそうでたまらなかったのだ。


二人のもとに小走りで近づくと、やっぱりすぐに生贄投票の話しになる。


本当はすごくこの話をしたいけど、環奈と一緒のところではしたくない。


「お昼の結果発表ってメールで来るのかな？」


「う～～ん。どうなんだろう？」


聖佳の問いに、環奈が首を捻った。