生贄投票
「だからオマエは、同票案をだしたんだろ? そしてまんまとナベがそれに引っかかった」


「違うよ」


「ミナト嘘でしょ……」


亜夢が顔を歪めてこっちを見ている。


「アム」


「オマエら二人しか考えられねぇんだよ」


晃司はさらに冷たく言い放った。


「ミナトそうなの?」


「アム……違う私は」


このとき美奈都は、あえて笑顔を作ろうとした。



「何それ? 何がおかしいの?」


亜夢の顔が変わる。


「え?」


「何笑ってんの?」


「えっ、チガぅ」


「返してよ! リョーコを返してよ!」


亜夢は突然顔を歪めて叫んだ。
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