生贄投票
「なぁ今治」


修太が近づいて声をかけてくる。


今や修太だけが美奈都の味方だった。


「こうなったらマジで犯人を捜すしかないぞ」


「え? だって二階堂先生なんでしょ」


「普通に考えればな。だけど……このままじゃ俺が、次の生贄にされてしまう」


「そうだよね。みんなの為にボットを作ったりしたのに、酷いよ」


「ああ、でも、今はそれを言ったって始まらねぇ。うちに帰って色々考えなきゃ」


「うん。そうだね」


「なぁ、一緒に帰ってうちに来ないか?」


「え?」


「二人でこれからのことを考えよう」


「あ、うん。分かった」


美奈都は頷くと、すぐに荷物を持った。
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