生贄投票
一時間目の授業開始が近づき、みんなが自分の席についた瞬間だった。


――ドガッ!


大きな音がして、全員がその音のほうを向く。


椅子に座って腕組みをした涼花が、思い切り自分の机を蹴飛ばしたのだ。


「痛いじゃない!」


前の席の西野美姫が後ろを振り返って文句を言う。


「オマエらさぁ、どうにかならねぇのかよ」


涼花は腕組みをしたまま吐き捨てるように言った。


「はぁ? 何言ってるのよ」


美姫が涼花を睨む。


「玉森とミナトが犯人だなんて、オマエら本気でそう思ってんのかよ、情けない」


「何だと!」


将也がいち早く反応して立ち上がった。
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