生贄投票
「ちょっと待て。自殺どころかめちゃめちゃやる気になってるじゃん」


修太が食い入るように見つめながら驚いて声をあげる。


ふと隣にいる涼花を見ると、涼花が涙を拭っていた。


「おい、何泣いてるんだよ?」


「うるさい!」


涼花は顔をそむけると、手の甲で涙を拭う。


美奈都がすかさず涼花の肩を抱いた。


「鬼の目にも涙か?」


修太が追い打ちをかける。


「うるさいタマオ! さっさとページめくれよ」


涼花が怒鳴った。


「はいはい」


修太はニヤッと笑うと、マウスを動かして画面を進めた。
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