生贄投票
「マジかよ……」


修太の声が震える。


「犯人は伊藤先生?」


美奈都が聞いた。


「あの野郎……。二階堂は自殺じゃない。自殺にみせかけて殺されてたんだ」


「マジかよ?」


修太に向かって涼花が問う。


「どう考えたってそうだろ。この日記を書いた段階じゃ、二階堂は死ぬ気なんて全然ない。それどころか俺たちを守るために、伊藤に接触しようとしてる」


「じゃあ、やっぱり二階堂は伊藤に殺されたんだよな」


「間違いないと思う。そしてこの日記を読んだ二階堂の兄貴も、伊藤に接触して殺されたんだと思う」


修太は二人の顔を見た。
< 543 / 827 >

この作品をシェア

pagetop