生贄投票
「これ警察に言ったほうがいいよ」


美奈都が切り出す。


「うん。アタシもそう思う」


「そうだな……。でも」


修太は口ごもった。


「でも、何だよ。タマオ」


「いや、一度自殺で片づけた事件を、再捜査ってしてくれるのかな?」


「そんなこと言ったって、実際にこうやって日記で残ってるんだし」


美奈都は自分の意見に反論されたようで、強い口調になる。


「ああ、そうだな、とりあえず行くだけ行ってみようか」


「うん」


美奈都は頷いた。
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