生贄投票
「ありさはやっぱり自殺なんかしてなかったのね」


ありさの母は修太の方を向く。


「ええ、おそらくですけど、伊藤っていう前任の教師に殺されたんじゃないかと思います。そしてこの日記を読んだ先生のお兄さんも、おそらく……」


「そんな……許せない。許せない!」


「ちょっと、落ち着いてください」


ありさの母が突然興奮して叫んだから、修太は慌てた。


「ありさを返して! 邦彦を返してよ!」


「お母様!」


興奮したありさの母に、どう対応していいか分からない修太があたふたしていたので、美奈都がすぐにありさの母のもとに駆け寄って抱きしめた。
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