生贄投票
「出た」


修太が美奈都を見る。


「え?」


「これだな」


「伊藤先生の家?」


美奈都がパソコンの画面を覗き込んだ。


「ああ、桜台のアパートだな。さっそく行ってみよう」


「ちょっと待って、いきなり押しかけるの?」


「ああ」


「大丈夫かな?」


「そうだな。でも、虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うだろ」


修太は微笑んだ。
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