生贄投票
心臓が爆発しそうなほど、ドキドキしている。


女の子とキスをするのなんて、生まれて初めてのことだから、何が何やら分からないし、この後どうすればいいのか分からない。

抱きしめたほうがいいのかな……そう思って手を背中に回そうと思ったとき、ノックもなしにドアが開いた。


「あら、ごめんなさい」


慌てて身体を離すと、母の美香子がニヤニヤしている。


「ちょっと、何で勝手に入ってくるんだよ!」


「いいわねぇ若いって。ご飯の支度出来たわよ」


美香子は微笑むと部屋から出ていった。


「飯食ってから行こうか」


修太はものすごく気まずいまま、美奈都を見る。


「うん」


そう言って恥じらう美奈都の顔が、今までで一番可愛かった。
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