生贄投票
「真っ暗だな。ポケットにでも入れたか?」


伊藤はすぐに音声につないで、ボリュームを上げる。


ガサガサという雑音が流れてきた。


「ん? 何だ? 車……?」


伊藤が首を捻る。


「何をやってるんだ。田野は?」


視線をもう一度、涼花のカメラの映像が映し出されているモニターに向けた。


「ん?」


真っ暗な画像の中に、何かがボーっと映っている。


伊藤は目を細めながら、モニターに近づいて行った。
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