生贄投票
「おい! 警察が来てるぞ! 観念しろよ伊藤!」


玄関で涼花の声がする。


「涼花!」


美奈都が猿轡をされたまま大声で叫んだ。


「ミナト!」


涼花が部屋に飛び込んできた。


「涼花、来てくれたの?」


一番に美奈都の猿轡が外される。


「当たり前だろ」


「何でだよ。ここは違うから後で連絡するって電話があっただろ?」


次に猿轡を外してもらった修太が不思議に思って聞く。


「ああ、あれか……あの電話ってオマエじゃないだろ? タマオ」


涼花がニヤッと笑った。
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