生贄投票
「一つは伊藤がプログラムを作ってもらったヤツ。もう一つはネットでこの事件を知って、面白がって伊藤のプログラムを盗んだハッカー」


「え?」


「たぶん後者の方だな。生贄投票は世間的にも、あれだけ騒ぎになったし、ネットじゃ知らないヤツはいないから、

中にはこのプログラムを自分でも作ってやろうとか、伊藤のプログラムを乗っ取ってやろうとか思うヤツもいるだろ」


「そっかぁ、私にはそんなこと思いつきもしないけど、世の中には色んな人がいるもんんね」


「ああ、だからどうせ、生贄投票をさせられて生贄に選ばれたところで、何も起こりゃしねぇよ。こういうことするヤツって、自分で人を殺す根性まではないからな」


修太は自分の推理に自信満々に答える。


「そんなこと分からないじゃない。本当に殺されたらどうすんのよ?」


「そうだなぁ、SPでも雇うかな」


「ちょっとタマ子。真面目に言ってるんだから」


「大丈夫だって、まだ投票してないヤツがいたら、俺に投票してもいいぞ」


修太は周りに向かって声をかけた。
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