生贄投票
「ちょっと待てよタマ」


晃司が口をはさむ。


「何だよ?」


「そんな根性はナイって言ったけど、変なヤツはいっぱいいるんだ。無理に投票しなくても、全員が自薦立候補でいいんじゃないのか? オマエの言うとおり、一週間で残りの26人を全員殺せるとは思えないし」


「そりゃそうだけど、投票しないとスマホが使えないままだから不便だろ?」


「それはまぁ、そうだけど」


「それに今回はもう投票を済ませてるヤツもいるだろうから、とりあえず今回は誰にでもいいから投票して、選ばれたヤツを残りのヤツが、全力で守るって形でいいんじゃないか」


「なるほど……そうだな。通学の行き帰りとかとか、一人にならないように守るようにしよう」


「ああ、みんなもそれでいいな」


修太は周りに声をかける。


「おいオマエらいつまで突っ立ってるんだ。早く席につけ」


担任の藤本が教室に入ってくるなり、大きな声で指示をした。
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