生贄投票
とりあえず大きな進展もないまま、毎日が過ぎていく。


渡邊弘樹の安否確認もしないまま、またしても月曜日を迎えた。


先週の一件以来、西野美姫を中心とする一部の女子と、元一年B組のメンバーの間に溝が出来ている。


美奈都はそれが気になっていた。


「あのさぁ、今夜も生贄投票が来たら、俺に入れていいぞ」


六時間目の授業が終わり、ホームルームも終わった後で、修太が全員に向かって言い放つ。


「ちょっとタマ子! また余計なことを言って」


修太のことが心配な美奈都は、すぐに文句を言った。


「だから大丈夫だってば、ナベだってどうにかなったなんて聞いてないだろ?」


「それは……」


そう言われても、調べていないから分からない。


「どっかのバカの悪戯のせいで、もうこれ以上もめるのはイヤなんだよ」


修太は吐き捨てるように言った。
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