生贄投票
先週の修太に続いての、目の前での凄惨な死。


誰も言葉を発することが出来ないまま、ただ一人怜だけが、晃司の名前を呼び続ける。


藤本も、ただ呆然と立ち尽くしていた。


「怜ちゃん」


美奈都は怜の隣にしゃがむと、怜の肩に手をかける。


「ミナト……晃司が、晃司がぁ……」


今の怜の姿が、そのまま先週の自分の姿に重なり、泣きじゃくる怜を、美奈都はキツク抱きしめた。


「それにしても何で先週は2票くらいしか入ってなかったキックンが、11票も入ったんだ?」


隣で涼花が首を捻る。


それを聞いた瞬間、今まで泣きじゃくっていた怜が、晃司のスマートホンを拾い上げた。
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