生贄投票
「嘘じゃないよ」


「何でよ。何で人殺しなんか」


美奈都の顔が歪む。


「ちょっと待ってよ。投票で生贄を選ぶことだって、人殺しと何も変わらないでしょ?」


「いや、それは違うだろ」


俊明が口をはさんだ。


「違わないよ! アイツらは投票で選ばれると死ぬことが分かってて、晃司に投票したんだよ。それって殺したのと同じじゃん。許せるわけないでしょ!」


「いや、だからって」


「何よ!」


「いや……」


温厚な怜がキレて叫んだものだから、全員その雰囲気にのまれて言葉を失った。
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