生贄投票
「一人ずつ時間をずらして呼び出して、順に殺したの」


「そんな……」


「だから生き残ってる生徒は17人。つまりここにいる9人が誰も裏切らなきゃ、四月まではみんな生き残れるよ」


怜が全員を見回す。みんな言葉を飲み込んで何もしゃべらなかった。


「後はここに書いてある順番に投票していってくれればいいから」


「わ、分かった」


俊明が頷く。


「でも、みんな油断しちゃダメだよ。投票で選ばれることはなくなっても、私みたいに直接殺しに来るヤツはいるかもしれないからね」


確かにその可能性があることに気が付いて、背筋がゾッとした。


「私は警察に逮捕されちゃうけど、でも……その前にどうしてもしおりんだけはこの手で殺してやりたい」


「怜ちゃん。ダメだよ」


「ミナトごめん。何を言われても、この気持ちは変わらないから」


怜は美奈都の顔を見つめた。
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