生贄投票
「バカ言うなよ! そんなこと絶対に許さないからな!」


涼花が怒鳴る。


「そうだよ怜ちゃん。涼花の言う通りだよ」


「ミナト……」


怜の目から涙がこぼれる。


「最後まで一緒だよ。私たち親友じゃない」


「ミナト……」


「とにかくスマホはアタシが預かるから」


涼花は怜に向かって手を出した。


「分かった。でも……しおりんの住所だけは控えさせて」


「怜ちゃん……」


それ以上は、誰も何も言うことが出来なかった。
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