生贄投票
「ウソ……でしょ?」


「あっ、思い出した。そういえば松井くんは、栞に誘われて投票グループに入ったって言ってたんだ」


怜の微笑みが、栞にとっては恐怖以外の何物でもなかった。


「それで栞の命令で、晃司に投票したって言ってたんだった」


「怜ちゃん……」


「何で晃司を選んだの?」


怜は顔が笑っているのに、目が笑っていない。


「それは……美姫ともめていて、票が集めやすかったし……」


栞は目を見開いた。


いつの間にか怜の手にロープが握られていて、それに気が付いたときには、怜が素早く立って栞の首にそのロープを回したのだ。


悲鳴を上げる間もなく、首にロープが食い込む。


栞は必死でもがいたけど、力尽きて動かなくなった。
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