生贄投票
「何かね。妃佳里が死んじゃったから、私がその代わりなんだって」


「えっ! 妃佳里が死んじゃったの?」


「えっ、知らないの? 夕方のニュースでやってたけど」


「夕方のニュース?」


「うん。電車に轢かれたって」


「ウソでしょ?」


「ううん。ウソじゃないよ。私もそのニュース観たから」


「そんな……」


真紀は呆然とした。


「あっ、こっちの方が近いよ。抜け道」


「えっ、そう?」


人通りのない細い道に真紀を誘導する。


「でも真っ暗じゃん。この道」


真紀は不安げな顔をした。
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