生贄投票
「いいから大丈夫、大丈夫」


怜は真紀の背中を押して、路地の奥にいざなう。


「でも、ここってつながってたかなぁ?」


真紀は首を傾げた。


「つながってるよぉ~」


そう言いながら、怜はポケットから紐を取り出す。


「地獄にね」


そう言うと同時に真紀の首に紐を回し、全体重をかけた。


「うぐぅうううううううううう」


真紀は必死で手をバタつかせる。


怜は真紀を背負うような形で背を丸め、真紀が動かなくなるまで、紐を握りしめた手に力を込めた。
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