生贄投票
「えっ、何これ?」


「しおりんのスマホだよ」


「何で怜ちゃんがこれを?」


「それはね。私がしおりんから盗んできたから」


「え? 何それ? 何の冗談?」


早苗が眉をしかめる。


「ううん。冗談じゃないの」


そう言ってポケットから出した怜の手には、ナイフが握られている。


「な、何?」


怜はそのまま早苗に向かってナイフで切り付けた。


「イヤぁああああ」


早苗が悲鳴を上げたので、近くを通っていた人たちが気が付いて近づいてくる。


怜は夢中で何度もナイフを振り下ろした。
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