生贄投票
お弁当を袋から取り出して食べ始める。


この学校に入学してから今日までずっと、わいわい話しながら食べるこの時間が、美奈都には最高に楽しい時間だったのに、今日は全然楽しくなかった。


会話が途切れ、もくもくとオカズを口に運ぶ。


正直胸が苦しくて、全然食欲がわいていなかった。


食事を終わらせると、三人は自然とスマートホンを取り出して、許しを請うボタンをタップし始める。


これをすることでしか、環奈に対しての罪滅ぼしはないのだ。


もし環奈を助けられなかったら、一生後悔してしまうだろう。

その想いで、美奈都は必死にタップし続けた。
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