生贄投票
聖佳のスマートホンの呼び出し音が鳴る。


美姫からだった。


「もしもし」


『聖佳ぁ~怖いの~』


電話の向こうで泣いている親友。


いつもなら可愛そうに思うはずなのに、今の聖佳は早く電話を切りたかった。


美姫の電話の相手をしている暇があるなら、三人に電話をかけて今後の作戦をたてなければならないのだ。


「うちに帰りなよミキ」


『帰ってるけど、帰っても誰もいないの~』


子供みたいに泣きじゃくっている美姫。聖佳は腹が立ってきた。


「ごめんミキ、今ちょっと忙しいから切るね」


聖佳はさっさと電話を切ってしまった。
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