生贄投票
美奈都のスマートホンが鳴る。相手は真面目な委員長の岡田奈美だった。


『もしもしミナト?』


「うん」


『あのさぁ、ミナトたちって9人で仲間を作って、投票を操作してるんだよね?』


「えっ? ぁあ……うん」


『そっか……あのさぁ、私は何番目に生贄にされるの?』


「え? それはまだ決めてないけど」


『そっか……』


「ちょっと代われミナト」


涼花がスマートホンを取り上げる。


「あのさぁ、実はアタシたちが期待してるのは、三年生になったら助かるかもってことなんだよね。で、三月中の投票は後3回でしょ。だからそうなると10人は助かる計算で今メンバーは9人だから、後1人は余裕がある。アンタもアタシらの仲間にならない?」


『えっ、いいの?』


「いいよ。だけど、あくまでも三年生になったら助かるかもっていうことで作られたチームだから、残念ながら四月になっても投票が続くようなら、そこから先はルール無用の殺し合いになるけどね」


涼花は言った後で、美奈都に向かってニヤっと笑った。
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